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卒業生

「やってみたい」気持ちに素直に

建築ライター、NPO 法人南房総リパブリック代表理事、南房総市公認プロモーター
家政学部住居学科 卒業
馬場未織さん

学園ニュース VOL.265

本格的な冬の足音が聞こえてきた11 月下旬、家政学部住居学科を卒業された馬場未織さんを取材させていただきました。建築ライターと子育てに加えて、東京と南房総の二地域居住をされている馬場さん。一度退職されてから建築ライターになるまでの道のり、そして東京と南房総の「二地域居住」というライフスタイルについてもお話を伺いました。

得意なこととやりたいこと

大学院卒業後、結婚し出産直前まで仕事をしていました。長男誕生後、しばらく専業主婦をしていましたが「社会とのつながりを持ちたい」と考えて再び働くことにしました。
自分に何ができるのか考えていくうちに、私は昔から得意な分野は「文系」だったけれど、選択してきた専門は「理系」であるというギャップに気づき、本当にやりたかったことは、執筆行為なのだと思い至りました。そこで専門と得意を融合させようと建築や街についてエッセイを書き、名刺代わりとして出版社に持ち込んで仕事を得ることに。「建築ライター」という新たなキャリアで再出発しました。

生活の変化、そして二地域居住へ

子どもが生まれ、それまで仕事ばかりだった日々が日常を味わう生活に変わりました。すると次第に、私が育った都会のとらえ方も変わっていきました。都会には便利なものは何でも揃っていますが、「この食べ物はどうやってできるのか」「植物や動物はどう育つのか」といった本質的なことを知る機会がありません。そして、これほど生き物好きな我が子は自然の中で育てた方が幸せなのではないか、でも生活基盤を変えるわけにはいかない、などといった葛藤の末、平日は東京で暮らし、休日は南房総の里山で暮らす「二地域居住」というライフスタイルを始める決意をしました。

  • 南房総の豊かな自然。大人も子どもも一緒になって楽しむ「里山学校」
    南房総の豊かな自然。大人も子どもも一緒になって楽しむ「里山学校」

自分の視野を広げていく

仕事・子育てそして二地域居住の生活は大変なこともありますが、私は大変というより視野が広がったという思いが強いです。二つの地域で暮らすことによって、自分の考えや日々向き合う仕事を相対的に見ることができますし、多様な人と出会うことで心に幅ができ、余裕をもって子育てに臨むこともできたと思います。仕事・子育て・二地域居住の全てを織り込んだ生活を送ることで、大らかに風通し良く暮らすことの心地よさを知りました。

  • 自然を生かしながら人の輪を広げていくNPO 法人南房総リパブリックの活動は、実に多彩
    自然を生かしながら人の輪を広げていくNPO 法人南房総リパブリックの活動は、実に多彩

プロフィール

馬場 未織(ばば みおり)さん
附属豊明幼稚園から本学に学ぶ。
1996 年3 月家政学部住居学科を卒業、1998 年3 月家政学研究科住居学専攻修士課程修了後、建築設計事務所に就職。
出産を機に職を離れるが、2006 年建築ライターとして執筆活動を始める。
2007 年から週末の生活の拠点を南房総に移し、東京と南房総を行き来する「二地域居住」を始める。
2012 年NPO 法人南房総リパブリックを設立。生活者の視点から里山の保全・活用や地域の活性化を図り、南房総の魅力を発信している。
2014 年株式会社ウィードシード設立。現在、関東学院大学人間共生学部講師も務める。
南房総リパブリックHP https://mb-republic.com/
リゾートSTYLE(隔月で二地域居住に関する記事を更新)
https://style.tokyu-resort.co.jp/author/miori-baba

インタビューを終えて

私は地方から上京してきているので、東京から地方に向かう馬場さんとは正反対の立場です。立場が違うからこそ生まれる考え・発想で、とても新鮮で面白いお話をしていただきインタビューの時間があっという間に過ぎてしまいました。自分の興味に対してまっすぐにさまざまなことへ挑戦する馬場さんは輝いていて、私もそうなりたいと感じました。

●取材・文・学生記者
文学部日本文学科2年 寺田有希