文学研究科

文学研究科

人間性の核心と拡がりとに向かう

専攻一覧

文学研究科の特色

研究科委員長メッセージ

文学研究科は、英文学、日本文学、史学の3専攻から構成されています。その英語名はGraduate School of Humanitiesですが、humanitiesという語が示すように、教員と院生とが、文学、歴史、言語などの諸領域を含む「人間の学」=「人文学研究」に共に携わる研究科です。1966年に修士課程(博士課程前期)が設置されて以来、本研究科の修了生たちの多くが、大学教員、中等学校・高等学校の教員、日本語教員、司書、司書教諭、学芸員、あるいは各種企業など、さまざまな場で活躍しています。
ノーベル文学賞を受賞した作家の大江健三郎(1935~2022年)の大学時代の恩師として知られるフランス文学研究者の渡辺一夫・東京大学名誉教授(1901~75年)は次のように述べています。「ユマニスム(=ヒューマニズム、人文主義)とは、わたしたちがなにをするときでも、なにを考えるときでも、かならず、わたしたちの行為や思想に加味されていてほしい態度のように思う」(渡辺一夫『ヒューマニズム考-人間であること』(講談社文芸文庫、2019年、p.46)。本研究科で培った学問への姿勢と知識を生かして、広く社会に貢献できるような人間になってほしいと思います。

史学専攻

臼杵 陽 教授

文学研究科の3方針

人材養成・教育研究上の目的

文学研究科は、科学的批判精神と洞察力をもって、人間精神の生み出した文化の諸相-文学・言語・歴史-を、主として言語資料をとおして、普遍と個別の面から追求していくことを目指し、広く豊かな学識を培い社会に貢献することのできる人材を養成することを目的とします。

文学研究科をもっと知る

文学とは、古来、言葉を媒介とした人間の文化の諸相を広く概括した表現でした。近代の科学・学藝の進展は文学研究の分野を拡げると同時に細分化をもたらしましたが、文学研究が総合的な人間性のありかの追究であることに変わりはありません。
わが文学研究科は、日本文学専攻・英文学専攻・史学専攻からなるコンパクトな編成です。まず、それぞれが最新の研究に必須な独自の研究分野と精緻な方法意識とを涵養することに努め、その上で、文学・言語・歴史に共通する普遍的な精神を築けるよう、互いに連携して学際的なカリキュラムを設定しています。

文学研究科について

◆「より広く・より深く」を実現するカリキュラム=基礎学と学際的関心

言語や書記法の異なる、第一次史料や資料あるいは古典籍の解読に必要な、語学・言語学・文献学などが、各専攻で開かれていますが、同時に、専攻を横断して学ぶことができます。一方で、学際的分野や現代社会の諸問題に関するテーマなど、地域や時代を超えたさまざまな領域をカヴァーした講義や演習も開講しています。学生の多様で意欲的な知的好奇心と研究意欲に、十分応えられるカリキュラムが用意されています。

◆多様な研究の支援=博士論文の刊行費の助成も

全研究科を対象とした、成瀬仁蔵先生記念賞、日本女子大学学業成績優秀賞・研究奨励賞、日本女子大学大学院奨学金、森村豊明会奨励賞、日本女子大学特別活動給付奨学金などの他に、文学研究科独自のものとしては、茅野蕭々・雅子記念奨学金と日本女子大学大学院文学研究科博士論文出版助成金とがあります。特に後者は、本研究科で、新たに課程博士を取得した学生を対象としたものです。

◆生活スタイルに合わせた研究計画

現在の仕事を続けながら学位(修士)を目指して、研究あるいは教育の可能性を伸ばしたい方には、博士課程前期では、自分の生活スタイルに合わせて、2年間の授業料で履修期限を3年あるいは 4年として学ぶことができます。

◆幅広い国際的な学術交流=尖端領域と学術の還元

日本のみならず、海外からも気鋭の研究者を招き、学術交流の研究会を催し、学内、学外の研究者や市民に公開しています。ワークショップ、講演会、シンポジウム、上演、ディスカッション等の形をとって、最先端の知識や問題意識の交流の場となるよう、活発に活動しています。昨年度行われた研究会のテーマの一部は次の通りです。新内上演「樋口一葉『たけくらべ』-生成・認知・流通-」「定家のもたらしたもの—文字と仮名遣い」(日本文学専攻)/「Romeo and Juliet : The Page and theStage」「やりとりの言語学-場から生まれることば」(英文学専攻)/「音楽の突端、辺境の音楽」「マルグリット・デュラス生誕百周年記念 映画と討論~来日するマリー・ダリュセックとともに」(史学専攻)

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